力覚センサーとは
力センサー
ロボットに力センサーを搭載する事で、ロボット先端にかかる力を検出する事が出来ます。この力成分を応用して、様々なアプリケーションを実現する事が可能です。
一般的に、ロボットはPTP(point to point controlの略)で、位置決め制御を得意とします。力センサーを取り付ける事で、ロボットは人間でいう接触した時の感覚を得る事が出来ます。
力センサーは、ロボット先端上で、6軸方向(XYZ+XYZの回転)検出が可能で、自分の姿勢と力センサーの値を考慮した制御が可能です。
どんな事が可能になるか?
力センサーを用いた制御では、どのような事が出来るのでしょうか。
力センサーには、ロードセルという歪を利用して力を検出する仕組みとなっており、押付、引き付けの両方を検出する事が出来ます。
例えば、押付では、一定の力で押し付ける事が出来ます。引き付けでは、ワーク搬送中に重量を計測する事も可能です。
アプリケーションとしては、精密嵌合や倣い等が良く使用されます。精密嵌合では、H7クラスの嵌合が可能です。
精密嵌合等は、一般的に硬い材料同士で振動により穴位置を認識して嵌合を行いますが、AUCではインサート挿入と呼ばれる加熱した金属を、樹脂製品に挿入するという柔らかい物に対しての力覚制御を実現しています。
倣いでは、一定の力で押付を行いながら研磨を行う事が出来ます。
倣いの機能では、曲線の表面や想定する事が難しい表面を認識しながら研磨を行う事が出来ます。
力覚センサーインサート圧入ロボット装置概要
- 安全柵を不要にする事も可能な、FANUC協働ロボット[CR-7iA]を使用。(リスクアセスメントが必要です)
- ロボットの先端にFANUCの力覚センサ[FS-15iA]とキーエンスの面光電センサ[AIシリーズ]を搭載
- 人の手でおこなっていたインサート熱圧入(危険作業)を自動化
- ロボット化により作業の効率化(生産性:400%Up)
- 圧入技術のロボット化により、技術者以外でも可能に。
AUCではワークの有無判別にはキーエンスのAIシリーズをよく使用しております。画像センサーより安価なためコスト的にも優れております。
力覚センサーインサート圧入ロボット作業工程
- パレットにインサートを並べる(事前準備:人作業)
- キーエンス面光電センサ(AI)でインサートを確認(ロボット)
- 力覚センサーを駆使してインサートをピッキング⇒加熱器に挿入(ロボット)
- 加熱器からインサートをピッキングし、ワークに圧入(ロボット)
- 圧入されたワークをターンテーブルから外し、新しいワークをセットする(人作業)